焼津の漁業と組合の沿革
漁業の沿革
焼津の漁業は、すでに徳川時代には相当の規模をもっていたようで、27隻のカツオ漁船には幕府より船鑑札が与えられ、世襲の船元を中心に血縁地縁による一船一家の協同的船組が組織されていた。
明治41年に初めて石油発動機付漁船(25屯・20馬力)が建造され、漁場も黒潮流域の彼方にまで広がった。以降、漁船は年とともに大型化し、大正9年には漁船界初のディーゼル機関の据付、同13年には鋼船の建造、翌14年組合に民間初の漁業無線局が開設され、これに呼応して各船に無線設備が付けられるという画期的な技術革新もあり、さらに昭和6年以降には鋼船の大型カツオ漁船(160屯型・250馬力)の進水が相次いで、当地の漁業は大いに振るった。
こうして、昭和14年頃には大型漁船はその数85隻(30屯以上のカツオ船49隻、10屯以上のサバ船36隻)を数えるまでとなり、東はミッドウェイ島近海から西は南シナ海、南は赤道付近にと縦横に活躍し、焼津は全国一の遠洋漁業の根拠地として、世界にその名が高まっていった。
そして、第二次世界大戦時、軍部による漁船徴用の犠牲(漁船54隻、漁業者212名)、昭和29年の第五福竜丸ビキニ被爆事件、昭和40年のマリアナ集団遭難など多くの苦難を乗り越えて漁場開拓・漁業の発展に努力し、ここに水揚げする大型漁船は年間300隻を数え、その航跡は太平洋からインド洋、大西洋とほとんど世界中の海域に及んでいる。
組合の沿革
江戸時代より各部落ごとに申し合わせ組合の組織があり、これを中心に漁業活動が営まれてきたが、明治35年漁業協同組合法の発布により、焼津漁業組合が結成された。
昭和12年法改正により保証責任焼津漁業協同組合となり、昭和18年水産業団体法の施行に伴い翌19年5月焼津漁業会に改組し、23年水産業協同組合法の制定とともに、昭和24年9月30日、現在の組織を持つ焼津漁業協同組合が生まれた。
年表
昭和24年9月 |
焼津漁業協同組合の設立登記 |
昭和26年8月 |
第三種漁港に指定 |
昭和26年10月 |
魚市場運営委員会が発足 |
昭和27年5月 |
第二製氷工場完成 |
昭和27年7月 |
第三種共同漁業権(築磯漁業)を設定 |
昭和28年10月 |
砕氷塔完成 |
昭和29年3月 |
所属船第五福竜丸ビキニ環礁近海にて米国水爆実験に遭遇、被災 |
昭和29年6月 |
第一船渠に西岸壁に売場及び二階事務所完成 |
昭和30年9月 |
新屋旧魚市場上屋を陸送市場として移築 |
昭和31年12月 |
電機課事務所完成 |
昭和32年1月 |
東益津漁業協同組合解散により同組合員は当組合へ集団加入 |
昭和32年6月 |
第一種・第三種共同漁業権(旧東益津漁協所有)を設定 |
昭和32年10月 |
第一船渠北岸壁に上屋を建設 |
昭和35年3月 |
特定第三種漁港に指定 |
昭和35年6月 |
大船漁具倉庫完成 |
昭和35年6月 |
魚市場用設備としてフォークリフト導入 |
昭和35年12月 |
焼津魚市場待望の水揚金額100億円突破 |
昭和36年3月 |
「焼津漁業協同組合の歌」制定 |
昭和36年6月 |
魚市場用設備としてベルトコンベヤー導入 |
昭和36年12月 |
魚市場用設備としてトラックスケール導入 |
昭和37年8月 |
市場内より魚市場事務所を移設 |
昭和37年9月 |
信用部南出張所開設 |
昭和38年5月 |
焼津漁業協同組合婦人会を結成 |
昭和39年11月 |
第一船渠北岸壁と東岸壁に売場を増設 |
昭和40年4月 |
漁業練習船わかどり建造 |
昭和40年9月 |
信用部当目出張所開設 |
昭和40年9月 |
船員宿泊施設 当目寮完成 |
昭和40年10月 |
マリアナ群島アグリガン島沖合において所属船2隻遭難、乗組員72名が殉職 |
昭和40年 |
焼津漁業協同組合青壮年部を結成 |
昭和41年4月 |
第一船渠に内港1号売場増設(第一船渠魚市場上屋全部完成) |
昭和41年11月 |
-35℃低温冷蔵庫(1冷)完成 |
昭和42年8月 |
製氷冷凍部第3工場完成 |
昭和42年12月 |
信用部南出張所完成 |
昭和43年1月 |
焼津沿岸漁業者協会発足 |
昭和44年2月 |
皇太子殿下が来焼され、当組合及び漁港施設を視察された。 |
昭和45年5月 |
貯油タンク(500キロリットル)完成 |
昭和45年11月 |
業界初の超低温冷蔵庫(2冷)完成 |
昭和46年3月 |
沿岸小型船上架施設完成 |
昭和46年8月 |
魚市場会館完成 |
昭和46年8月 |
信用部港出張所開設 |
昭和47年12月 |
沿岸漁船漁具倉庫完成 |
昭和47年12月 |
新市場法による地方卸売市場焼津魚市場県知事認可 |
昭和48年6月 |
購買部店舗工場完成 |
昭和48年9月 |
区画漁業権(わかめ養殖等)を設定 |
昭和48年12月 |
漁業練習船わかどり代船建造 |
昭和49年2月 |
天皇・皇后両陛下行啓幸 |
昭和49年12月 |
信用部当目出張所完成 |
昭和49年12月 |
焼津魚市場水揚金額500億円突破 |
昭和50年8月 |
外港北岸壁に荷捌所(第3・第4バース)完成、第4冷蔵庫完成 |
昭和50年9月 |
近海・沿岸及び陸送品等売場(4号売場)完成 |
昭和53年9月 |
区画漁業権(ほたて等養殖/あじ等養殖)取得 |
昭和53年12月 |
外港第1・第2バース荷捌所完成 |
昭和54年3月 |
物資販売所、かつお・まぐろ直販所新装開店 |
昭和54年8月 |
焼津漁業資料館開館 |
昭和55年11月 |
焼津漁業協同組合青壮年部が研究発表会で第19回農林水産祭天皇杯受賞 |
昭和62年4月 |
外港西岸壁に第5バース荷捌所完成 |
昭和63年10月 |
シーメンズショップ開店 |
昭和63年12月 |
ヤイヅツナコープ開店 |
平成元年6月 |
信用部港支所完成 |
平成元年11月 |
沿岸漁業者用プレハブ冷凍庫完成 |
平成2年6月 |
沿岸漁業者用多目的漁具倉庫完成 |
平成4年1月 |
外港北岸壁に第4冷蔵庫上屋増築 |
平成6年10月 |
信用部本所新店舗完成 |
平成11年3月 |
焼津漁協超低温冷蔵庫完成 |
平成11年4月 |
沿岸小型船上架施設を移転(平成10年度前期工事完了) |
平成11年6月 |
焼津漁協設立50周年記念祝賀会を挙行 |
平成12年5月 |
沿岸小型船上架施設後期工事完了、全施設供用開始 |
平成13年4月 |
新屋小船漁具倉庫完成
2棟合計 249.75㎡ 25庫 |
平成13年5月 |
焼津魚市場・新屋売場竣工 |
平成15年4月 |
焼津漁協超低温冷蔵庫・平成14年度増設工事竣工 |
平成17年4月 |
焼津魚市場解凍売場・鮮魚売場竣工式 |
平成17年11月 |
焼津漁協事務所竣工 |
平成18年11月 |
葬祭会館セレモニーホールしおさい完成 |
平成19年4月 |
(株)ヤイヅツナコープをタラソテラピー関連施設物販棟「うみえ~る焼津」1階に移転・新装開店 |
平成22年5月 |
外港西岸壁に第6バース完成 |
平成25年12月 |
信用事業を静岡県信用漁業協同組合連合会に譲渡 |
平成26年11月 |
ヤイヅツナコープ初の支店(旧港前店)を開店 |
平成29年4月 |
外港 トラックスケール完成 |
平成29年12月 |
外港売場管理棟完成 |
平成30年3月 |
外港西岸壁に第5バース完成(建替) |
令和元年12月 |
外港北岸壁に外港冷蔵庫完成(建替) |
令和4年1月 |
第1船渠西側と第3船渠南側の2箇所に漁具倉庫完成
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